注文住宅に作ったこだわりの書斎|暮らしを整える工夫

 

家を建てるとき、多くの人が一度は憧れる「自分だけの書斎」。 我が家でもマイホームづくりの計画が始まった当初から、「一箇所だけでいいから、おこもりできる静かなスペースが欲しい」という強い希望がありました。

あれから10年以上の月日が流れ、家の中のさまざまな場所がライフサイクルの変化とともに役割を変えていくなかで、この書斎もまた、面白い変化を遂げています。

 

 


暑くならないように「北西側」を選んだ、我が家の書斎

家づくりにおいて、リビングやダイニング、あるいは子供部屋などは「日当たりの良い南向き」に配置するのが一般的だと思います。我が家でも、家族が集まる場所や洗濯物を干すスペースなどは南側を中心に計画していきました。

そんななか、書斎にする部屋の配置を検討するときに私が選んだのは、あえて一番日当たりから遠ざかるような「北西側」の部屋でした。

一見すると「少し暗くて寒そう」と思われがちな北西ですが、10年以上暮らしてみた今、この配置は「大正解だったな」としみじみ感じています。理由は主に2つあります。

1日を通して光の入り方が安定している

南側の部屋は、時間帯によって太陽の光が強く差し込み、部屋の明るさが劇的に変化します。 一方で、北西側の部屋は直射日光がガンガン入ってくることがないため、時間帯を問わず常に「一定の穏やかな明るさ」が保たれます。これが、パソコンの画面に向かったり、本を読んだりする作業環境としては、目への負担が少なくて非常に心地よいのです。パソコンの液晶画面に太陽の光が反射して眩しい、といったストレスもほぼありません。

夏場に部屋が暑くなりにくい

注文住宅を建てるときに見落としがちなのが、「夏場の2階の部屋の暑さ」です。 南側や東側に大きな窓がある部屋は、午前中からお昼過ぎにかけて室内に熱がどんどん蓄積され、エアコンをフル稼働させてもなかなか冷えない……ということになりがちです。 その点、北西側は日中の厳しい直射日光をダイレクトに受けないため、夏場でも部屋が驚くほど暑くなりにくいというメリットがありました。静かに集中したい空間だからこそ、「室温の安定感」は想像以上に大切な要素だったなと思います。

 


エコカラットと「書棚」柄の壁紙で、心地よくおこもり感のある空間に

部屋の配置というベースが決まったあとは、内装のこだわりです。 自分の好きなものを詰め込んで、視覚的にも体感的にも「居心地の良さ」を感じられる工夫を散りばめました。

特にこだわったのが、壁面の仕上げです。

部屋の空気をどんよりさせない「エコカラット」

書斎という場所は、どうしてもドアや窓を閉め切って、何時間もじっとこもって作業をしがちになります。そうなると気になるのが、部屋の中の空気の「こもり感」や「湿気」です。

そこで、壁の一部に調湿効果や消臭効果で知られるリクシルの「エコカラット」を貼ることにしました。 これが実際に暮らしてみると非常に優秀で、梅雨時期のジメジメした季節でも、書斎のドアを開けたときに「カラッ」とした心地よい空気が迎えてくれます。冬場の乾燥しがちな時期にも、部屋の中の水分をほどよくコントロールしてくれている安心感があり、長時間の作業でも空気がどんより重たくならないため、とても重宝しています。

遊び心を詰め込んだ「書棚」柄のアクセントクロス

もうひとつの大きなこだわりが、壁1面だけをガラリと変えたアクセントクロスです。 せっかくの自分だけの空間なので、普通の白い壁紙だけでは少し味気ないなと思い、思い切って「本棚に古い洋書がたくさん並んでいるデザイン(書棚柄)」の壁紙を選びました。

「ちょっと個性が強すぎて、目がチカチカするかな?」と選ぶときは少しドキドキしたのですが、実際に貼られてみるとこれが大ヒット。 部屋に入った瞬間に、まるで古いイギリスの図書室や、隠れ家カフェの奥にある秘密の部屋に迷い込んだかのような、独特の「おこもり感」が演出されました。壁紙1枚で、空間の雰囲気がここまでガラリと変わるのかと感動したのを覚えています。遊び心のある壁紙は、注文住宅だからこそ挑戦できたお気に入りのポイントです。

 


【試行錯誤の10年】机と椅子から「ローテーブルに直座り」への変化

こうして、北西の静かな位置に、お気に入りの壁紙とエコカラットを設えた理想の書斎が完成しました。 しかし、ここからの「使い方の変化」こそが、注文住宅の、いや、暮らしというものの本当の面白さなのかもしれません。

引き渡された当初、私は一般的な書斎のイメージ通りに、しっかりとした「ワークデスク」と「オフィスチェア」を運び込み、いわゆる標準的なスタイルで部屋を使い始めました。 背もたれのある椅子に深く腰掛け、机の上にパソコンを広げて作業をする。最初は「これぞ書斎!」と満足していたのですが、数年、また数年と過ごすうちに、自分の中で小さな違和感が生まれ始めました。

「なんだか、長居していると肩が凝るな……」 「椅子に座っているよりも、もっと体を解放してリラックスして作業がしたいな」

そんな風に感じる日が増えていったのです。 そこで、思い切って部屋の模様替えを決行することにしました。デスクと椅子を一度部屋から運び出し、代わりに持ち込んだのは、高さの低い「ローテーブル」でした。

椅子に座るのをやめて、床に直接座る(または座布団やフロアクッションを敷いて座る)という、いわゆる「直座り(じかづわり)」スタイルへの変更です。

この試行錯誤の末の仕様変更が、私にとって驚くほど体に馴染みました。 足を崩して座ったり、時にはちょっとあぐらをかいたり、疲れたらその場でゴロンと横になって休憩したり……。椅子に縛られていたときよりも、圧倒的に体への負担が減り、精神的にもリラックスして空間に身を委ねられるようになったのです。

世間一般の「書斎の教科書」を見れば、高機能なオフィスチェアをおすすめする声が多いですし、私も最初は「書斎=デスクワークの椅子席」と思い込んでいました。けれど、実際に10年暮らしてみるなかで、「自分にとって本当にラクな姿勢はこれだったんだ」と気づけたのは、大きな収穫でした。既成概念にとらわれず、暮らしに合わせて部屋の使い方をいくらでも変えていけるのが、持ち家の良さなのかもしれません。

 


今は「ブログ作成専用部屋」という、大切な暮らしの余白

家を建てた当初は、本を読んだり、ちょっとした作業をしたり、パソコンで動画を見たりと、マルチに使っていたこの書斎。 10年以上の時を経て、私のライフスタイルが変化していくなかで、現在のこの部屋は完全に「ブログ作成専用部屋」へと姿を変えました。

今では、ローテーブルの上にノートパソコンを広げ、この「おとなのメモログ」の記事を執筆するための、私にとっての特別な特等席になっています。

北西の窓から差し込む静かな光の中で、書棚柄の壁紙を目に、エコカラットのすっきりした空気を吸いながら、直座りでパチパチとキーボードを叩く。 そんな風に自分の思考を整理し、日々の記録を紡ぐ時間は、私の暮らしにおいて欠かせないとても大切な「心の余白」になっています。

形や使い方は、10年前の理想とは少し変わったけれど、あのとき自分のこだわりを詰め込んでこの空間を整えておいて、本当に良かったなと思います。

これから家を建てる方で、もし書斎のようなプライベートスペースを検討されているなら、最初から完璧な完成形を求めすぎず、「あとから自分の暮らしに合わせて形を変えられる、居心地の良い箱」として部屋を作ってみるのもいいかもしれませんね。

 

 

 

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本記事の内容は10年以上前の体験に基づいています。現在の正確な情報や最新の手続きの流れは、公式サイト等でご確認ください。
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