築30年以上のわが家は、どこを見ても少しずつ時間の跡が残っていました。
特に気になっていたのが、1階のキッチンと洗面所でした。
日々使う場所だからこそ、汚れや湿気の影響を受けやすく、壁紙のくすみや黒ずみが目に入りやすい状態でした。洗面所の壁の下の方には小さな黒いカビも広がっていて、朝の支度のたびに自然と視界に入ってきました。
近づくと、ほんの少しだけ湿ったようなにおいを感じることもありました。
見て見ぬふりをしていたわけではないけれど、毎日の中で少しずつ気になる存在になっていたように思います。
全面リフォームを選ばなかった理由
きれいにするなら、壁紙をすべて張り替えるのが一番確実だと思いました。
ただ、調べていくうちに、費用や手間の大きさが現実的ではないと感じました。
クロスの張り替えは、既存の壁紙を剥がして下地を整え、新しいものを貼るという工程になります。6畳程度でも数万円から10万円前後、水回りになるとそれ以上になることもあるようでした。
家具や家電の移動、作業日程の調整も必要になり、数日間は落ち着かない生活になることも想像できました。
将来的に建て替えも考えているため、この段階で大きな費用をかけることには少し迷いがありました。
そこで、「今の状態を少し整える」くらいの方法を選ぶことにしました。
今回選んだやり方
今回は場所によって方法を分けました。
洗面所は「壁紙の上からペンキ塗装」、キッチンは「壁紙の上から壁紙を重ね貼り」することにしました。
どちらも既存の壁紙を剥がさずにできる方法で、作業の規模を抑えながら見た目を変えられるやり方でした。
実際にやってみると、それぞれに違った感覚がありました。
ペンキ塗装と壁紙重ね貼りの違い
洗面所で行った壁紙の上からのペンキ塗装は、広い面を一気に整える感覚がありました。
ローラーで塗っていくと、くすみが隠れていき、全体が均一な色に変わっていきます。
仕上がりはフラットで、すっきりとした印象になりました。
その分、素材の質感はあまり残らず、少し無機質な雰囲気も感じました。
塗料のにおいもあるため、換気をしながらの作業になりました。
一方で、キッチンの壁紙重ね貼りは少し違いました。
既存の壁紙の上から新しい壁紙を貼ることで、模様やわずかな凹凸が残り、柔らかい印象になりました。
見た目の変化はこちらの方が大きく、空間の雰囲気が変わる感覚がありました。
ただ、作業は少し難しく、最初はつなぎ目がずれたり、空気が入ったりすることもありました。
やっていくうちに少しずつ慣れていき、後半の方がきれいに仕上がったように思います。
作業前にやったこと
DIYを始める前に、いくつか準備をしました。
まずは掃除です。特に洗面所はカビがあったため、市販のカビ取り剤で黒ずみを落としました。完全に乾かしてから作業に入るようにしました。
キッチンは油汚れがあるため、壁を拭いてできるだけ表面を整えました。
家具や家電もできる範囲で移動し、作業スペースを確保しました。
床や周囲には養生シートを敷き、汚れが広がらないようにしました。
この準備の段階が、あとで効いてくるように感じました。
実際の作業の流れ
洗面所は、まず養生をしてからペンキを塗りました。
ローラーで広い面を塗り、細かい部分は刷毛で仕上げました。
一度に厚く塗るとムラになりやすかったため、薄く塗ってから重ね塗りする形にしました。
塗り終わったあとは換気をしながら乾燥させました。
半日ほどで、全体が落ち着いた色に整ったように見えました。
キッチンは、壁紙の上からの重ね貼りにしました。
今回は天井から床まで1枚で貼るタイプではなく、あらかじめ上下に分かれてカットされた壁紙を使いました。
下側の壁紙を貼ったあと、上側の壁紙を少しだけ重ねるように貼りました。本来は上側を先に貼ってから下側を合わせるのが定石かもしれませんが、私はピッタリと貼る自信がなかったため、少し重ねる方法を選びました。
最後に余分な部分をカッターで切り、全体を押さえて整えました。
作業中に気をつけたこと
カビや汚れはできるだけ事前に落としておくこと。
養生は少し広めにしておいた方が安心でした。
ペンキは薄く重ねることで、ムラを防げたように感じました。
壁紙貼りは、一度に広くやろうとせず、少しずつ進める方が結果的に整いやすかったです。
作業は一気にやらず、時間を分けながら進めました。

仕上がったあとの変化
作業が終わったあと、まず感じたのは明るさでした。
黒ずみやくすみが消えたことで、光の反射が変わり、空間全体が軽くなったように見えました。
洗面所はフラットな壁になり、水はねや汚れも拭き取りやすくなりました。
日常の使い勝手が少し変わったように感じました。
キッチンは壁紙の質感が残り、柔らかい印象になりました。
同じ「白」でも、仕上がりの違いがあるのが面白いと感じました。


今回のDIYは、全面的なリフォームではありませんでした。
ただ、それでも空間の印象は思っていた以上に変わりました。
費用は材料費中心でおよそ4万円ほど。
業者に頼むよりも抑えられた形になりました。
完璧ではない部分もありますが、自分たちで整えたという感覚が残っています。
毎日使う場所が少し変わるだけで、過ごし方も少し変わる。
そんな感覚が残った作業でした。