大西洋に浮かぶこの島は「ミニチュアの大陸」と呼ばれ、ヨーロッパの人々にとっては憧れのリゾート地。20年以上前の当時の私が肌で感じた空気感と、最新の情報を交えながら、この島の魅力を綴ります。
スペイン ― 知っておきたい基礎知識
広さ
スペインの総面積は約50万5,992平方キロメートルと日本の約1.3倍の広さがあり、私が滞在したグラン・カナリア島を含むカナリア諸島はその南西の大西洋上に位置しています。島全体の面積は約1,560平方キロメートルで日本の大阪府より少し小さいほどの規模を持ち、広大な大自然と美しい海岸線がその限られた大地のなかに凝縮されています。
気候のポイント
一般的なスペインの気候
スペインの気候は地域的な多様性が非常に大きく、北部の海洋性気候、中央台地の大陸性気候、南部・東部の地中海性気候などに大別されます。夏季にあたる時期は、内陸部や南部を中心に日中の平均最高気温が35度を大幅に超える猛烈な酷暑となる地域がある一方、北部では比較的冷涼に保たれるなど、地域ごとに大きな格差が存在します。
旅の舞台「ラスパルマス」の気候
ラスパルマスの気候はケッペンの気候区分において砂漠気候(BWh)に属しており、年間を通じて非常に乾燥した状態が維持されています。大西洋の寒流と貿易風の影響を強く受けるため、7月の平均最高気温は27.0度前後と極端な酷暑にはならず、年間を通じて非常に穏やかで一様という特徴を持っています。
(最新の情報は「スペイン政府観光局 公式サイト」にてご確認ください)
「グランカナリア島ツアー」を巡る旅
カジェ・トリアナ
あの日訪れた「カジェ・トリアナ」の光規は、今でも強烈な印象として残っています。この場所はラスパルマスの旧市街(ベゲタ地区)に隣接する歴史的な主要ショッピング街であり、歩行者専用道路として整備されているようです。遮るもののない強烈な太陽が照りつける時間帯に足を踏み入れたその空間は、言葉では言い表せないほどのエキゾチックな雰囲気が漂っていました。様々な店舗が立ち並ぶ通りをただ歩いているだけで、現地の空気に圧倒されたという実感を強くしたことを覚えています。

プラヤ・デル・イングレス
美しさと開放感が同居していた「プラヤ・デル・イングレス」。この場所はグランカナリア島の南部に位置する非常に広大なビーチであり、ヨーロッパ有数のリゾート地として広く知られているようです。一歩足を踏み入れた瞬間に、どこまでも続く砂浜の広大さにただただ見惚れてしまいました。強い日差しが白い砂や穏やかな海面に反射して、非常に美しいコントラストを描き出していたことが印象に残っています。強い光が差し込む砂丘と波打ち際の対比が素晴らしく、大西洋のリゾートの美しさにじかに触れた瞬間でした。

「当時の通貨と、忘れられない記憶」
文字だけ!?数字がない謎の「100ペセタ(CIEN)」
手元に残る硬貨の中に、額面を示す「100」というアラビア数字が刻まれておらず、代わりにスペイン語の文字で「CIEN PESETAS」とだけ刻まれた不思議なデザインの硬貨があります。当時は仕様が分からず戸惑いましたが、これは1980年代初頭のシリーズで発行された流通硬貨の1つであり、裏面にはフアン・カルロス1世の肖像が配されています。日常で普通に流通していたこの小さなコインが、文字による額面表記という非常に珍しい特徴を持っています。

毎年お祭り騒ぎ!デザインが変わる「穴あき25」と「チビ5」
手元には、中心に穴が空いた25ペセタ硬貨が3種類と、サイズが非常に小さい5ペセタ硬貨が3種類保管されています。当時の思い出をたどると、同じ額面なのにデザインがいくつもあって財布の中で混乱した記憶があります。スペインでは1990年から2001年までの期間、25ペセタと5ペセタの硬貨において、毎年異なるスペインの自治州や文化をテーマにした記念デザインを通常流通貨幣として発行していたようです。25ペセタは中央に穴があるのが特徴で、毎年お祭り騒ぎのようにデザインが変わる仕様だった理由がわかりました。当時お釣りとして財布に紛れ込んできたこれらの硬貨は、まさに当時の現地の仕組みを伝える、色褪せない思い出の1コマです。
ユーロ直前のオールスター!「50・100・200ペセタ」
手元にある「200、100、50」という大きな数字が刻まれた硬貨たちは、1990年代に導入されたユーロ移行前の最終シリーズのものです。裏面にはそれぞれ、スペインの歴史的な偉人や、重要な芸術的建造物のグラフィック、あるいは現職の国王などの肖像が緻密なレリーフとして刻まれています。当時、現地の商店で買い物をした際にお釣りとして財布に貯まっていったものですが、これらは2002年のユーロ完全導入によって姿を消した、まさにペセタ時代のオールスターたちでした。当時はお土産屋さんなどでのやり取りに気を取られ、硬貨の意匠を細かく観察する余裕はありませんでしたが、こうして時間が経ってから見返すと、重要な歴史の記録そのものです。
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※この記事は20年以上前の体験をもとに構成しており、現在の正確な現地の状況については公式サイト等をご確認ください。
今回の訪問地:スペイン(グランカナリア島)

