7月上旬、太陽がアドリア海をキラキラと照らす最高の季節に、私はドブロブニクを訪れました。20年以上前のことですが、あの時の突き抜けるような青い空と、街を包む熱気、そして友達と笑いながら歩いた石畳の感触は、今も私の中に鮮明に残っています。近年、世界的に人気の観光地となったドブロブニクの最新事情も踏まえつつ、私の思い出とともにこの街の魅力をご紹介します。
クロアチア― 知っておきたい基礎知識
広さ
クロアチア共和国の国土面積は、5万6594平方キロメートルとされています。これは日本の九州に四国を合わせた程度、あるいは国土全体のおよそ六分の一に相当する大きさであり、アドリア海沿いに長く伸びた美しい海岸線を持っています。
気候のポイント
一般的なクロアチアの気候
沿岸部は温暖湿潤気候や地中海性気候に属しており、年間を通じて穏やかなのが特徴です。特に夏季にあたる時期は雨が非常に少なく、乾燥した晴天の日が長く続くとされています。
旅の舞台「ドブロブニク」の気候
訪問した7月は一年のうちで最も日照時間が長く、月平均最高気温が二十八度前後に達する時期にあたります。降水量は年間で最も少ない季節であり、乾燥した強い日差しが連日降り注ぐ気候であるとされています。
(最新の情報は「クロアチア政府観光局(Croatia Full of Life) 公式サイト」にてご確認ください)
友達と巡った城壁歩きと、現地で見つけた「魔法のブラウス」
あの日、私はクロアチアのドブロブニクにおいて、友達と一緒に自由な街歩きを楽しみました。申し込んでいたオプショナルツアーが取れず、キャンセル待ちもダメだったため、個人での観光となりましたが、その時にじかに触れた街並みはとてもきれいでした。
ロヴリイェナツ要塞の圧倒的な佇まい
ロヴリイェナツ要塞の前に佇んだ時、その堅牢な造りと歴史の重みに現地の空気に圧倒されたことを覚えています。海に突き出た巨大な岩盤の上にそびえ立つ石造りの要塞は、遮るもののない強烈な太陽の光を受けて白く輝いており、その歴史的な造形美が強く印象に残りました。当時はその詳細な背景まで深く考えていませんでしたが、現在の視点から調べてみると、この要塞が持つ防衛技術や、歴史的な素晴らしさの理由が解き明かされました。

聖ヴラホ教会を仰ぎ見て
聖ヴラホ教会の前に足を運んだ際も、歴史の変遷を感じる特別な時間となりました。街の守護聖人を祀るその教会の美しいファサードや、精緻な装飾は、かつての人々の深い信仰心を静かに伝えていました。

ドゥブロヴニク旧市街の美しい風景
ドゥブロヴニク旧市街へと迷い込んだ際、その統一された美しい街並みに深く感動していました。乾燥した強烈な日差しを浴びて堂々と佇む石造りの家々や、長い歳月を生き抜いてきた建造物だけが持つ神聖な威厳が周囲に満ちていました。周囲に広がる風景そのものが歴史の一部であり、私はその壮大なスケール感に終始目を奪われていました。

プラッツァ通りの光景と写真の記憶
旧市街のメインストリートであるプラッツァ通り(ストラドゥン通り)では、大理石の石畳が多くの旅人たちに踏み固められて滑らかになっており、不思議な魅力を放っていました。手元にはあの日この通りで撮影した写真が残っていますが、今見返してみると、どこかのお店でランチでもしたのかなと当時の様子に思いを馳せています。

海洋博物館に眠る海の記録
現地で購入したお気に入りの服(白地に赤で幾何学的な刺繍が施されたブラウスで、クロアチアの伝統的なスタイルが現代風にアレンジされたものらしい)で、旧市街の海洋博物館へと足を運んだ際も、歴史の変遷を感じる特別な時間となりました。かつてのアドリア海貿易の中心地であったこの街の、豊かな海の歴史を物語る展示品が静かに並んでおり、時の流れの切なさと美しさを同時に伝えていました。

当時の通貨と、忘れられない記憶
クーナの記録と当時の価値
帰国から四半世紀が経った今も、私の手元にはあの旅の途中で財布に残ったクロアチアの古い通貨がいくつか大切に保管されています。紙幣は10クーナ札、硬貨は5、2、1クーナ硬貨、そして50、20リパ硬貨というラインナップです。当時は何気ないおつりとして持ち帰ったものですが、今見返してみると、まさに現地のカフェで友達とお茶やランチをして、財布に残った「リアルな旅の足跡」そのものだと気づきました。
というのも、当時のレートで計算すると、10クーナ紙幣は日本円で「約150円〜200円」くらいの価値だったからです。これは当時のドブロブニクのカフェで、ちょうど淹れたてのコーヒーが1杯飲める金額でした。さらに手元にある5、2、1クーナ硬貨があれば、ちょっとしたお菓子を買ったりバスに乗ったりすることができ、50、20リパという細かな少額コインは、お店のレジで端数をきっちり支払うためだけに使われていました。
通貨の歴史的変遷
私が持っている5、2、1クーナ硬貨はすべて、ニッケルや黄銅などが使われた「金色や銀色に輝くしっかりとした金属製」であるのに対し、50、20リパという細かな硬貨は、製造コストを下げるために「アルミニウムとマグネシウムの合金」という非常に軽くて薄い素材で作られていたことがわかりました。しかもクロアチアは国ごと完全にユーロへ移行してしまったため、これらの独自通貨は二度と手に入らない大切なお土産となりました。

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※この記事は20年以上前の体験をもとに構成しており、現在の正確な現地の状況については公式サイト等をご確認ください。
今回の訪問地:クロアチア

