カナダ西海岸の都市バンクーバー。穏やかな海と深い緑に囲まれたこの街で過ごした日々は、観光地を巡る旅とは少し違う、現地の人々の温かな暮らしに触れる特別な時間でした。ホストファミリーの優しさや、今では見ることのできない古い貨幣の感触を思い返しながら、広大な自然の中に息づくカナダの魅力を綴ります。
カナダ ― 知っておきたい基礎知識
広さ
カナダの総面積は、日本の約26倍に匹敵する広大な領土を持っています。世界ではロシアに次いで第2位の面積を誇る広大な国家とされています。
気候のポイント
一般的な気候
広大な国土を持つため地域による気候の差が非常に激しく、全体的には冷帯や寒帯に属する地域が多いとされています。太平洋沿岸部を除くと冬の寒さは非常に厳しく、内陸部では氷点下30度以下に達する場所もあるようです。
旅の舞台「バンクーバー」の気候
西海岸に位置するこの都市は、カナダ国内では最も温暖な気候に属しているとされています。夏の時期は、遮るもののない強烈な太陽が降り注ぐ一方で乾燥しており、日本の夏のような不快な湿気がない、非常に過ごしやすい気候であるようです。
(最新の情報は「カナダ観光局 (Destination Canada) 公式サイト」にてご確認ください)
バンクーバーを巡る旅
ホームステイという選択
皆がメキシコからカナダへ船で移動している最中に、私たちは一足先に飛行機でカナダへと入国しました。選んだのは、オプションプランとして用意されていたショートステイです。バンクーバーでの約8日間の滞在期間中、私は現地のホストファミリーの家にお世話になることになりました。出会ったホストファミリーは本当に良い方たちで、短い滞在期間中、私をとても温かく迎え入れて良くしてくれたことが深く印象に残っています。

ウェストミンスター寺院への旅
車で1時間ほどの距離を移動して、高台に佇むウェストミンスター寺院を訪れました。そこから眼下に広がる、ゆったりと流れるフレーザー川を見下ろす風景は、言葉を失うほどきれいだった記憶が今でも鮮明に残っています。工房へ立ち寄ってハンドクラフトを体験する機会もあり、あの日じかに触れた現地の文化や静けさは、とても貴重な経験となりました。


ササマット湖畔でのランチ
緑豊かな自然に囲まれたササマット湖の湖畔では、ツアーの仲間たち全員と一緒にランチを食べる時間がありました。透き通った水面と静かな森が広がるカナダならではの大自然に囲まれて、仲間たちと机を囲んだあのひとときは、旅の賑やかさと穏やかな気候が混ざり合った、色褪せない思い出の1コマです。

スタンレーパークのトーテムポール
ウォーターフロント駅から電車に乗り、スタンレーパークへ足を運びました。この時はホストファミリーも一緒に行ってくれて、公園内にそびえ立つ独特なデザインのトーテムポール群を一緒に眺めました。あの日撮った写真を見返すと、ファミリーは半袖Tシャツ1枚なのに、私だけ冬用の長袖フリースを着ているという不思議な光景が写っています。実はバンクーバーの8月中旬は、日中の太陽の下では半袖で過ごせるものの、広大な森に囲まれた公園の木陰や朝晩は一気に気温が急降下するという気候の特徴があります。現地の方との体感温度の違いも含め、あの日じかに触れた現地の冷涼な空気感を表す、大切な記録として残っています。


当時の通貨と、忘れられない記憶
1ドル硬貨に「1」も「ONE」も書かれていない理由
手元にあるゴールドの1ドル硬貨を眺めてみると、国名や年号、「DOLLAR」という文字と鳥の絵があるだけで、金額を示す数字の「1」や「ONE」が一切書かれていません。このコインは1987年に誕生した「ルーニー」と呼ばれる仕様そのものであり、このデザイン自体が1ドルを証明しているということでした。11角形という独特の形状をしていますが、私の手元にある1988年製のものは多くの人の手を渡ってきたためか角が丸くなっており、歴史を実感させます。

現在はもう手に入らない1セント(ペニー)
3種類の1セント硬貨について調べてみると、貨幣の歴史的変化が隠されていました。カエデの葉が描かれたこの1セント硬貨(ペニー)は、製造コストの高騰などを理由に2012年に製造が完全に終了し、現在は市場から回収されてお店での流通が停止しています。つまり、現在のカナダへ旅をしてもお釣りで手に入れることは絶対にできない、絶滅した額面ということになります。年代によって表面のエリザベス女王の肖像の年齢(お顔)が変わっている点も含め、今となっては二度と手に入らない貴重な変遷の記録です。
記念コインが普通にお釣りで返ってくる国
私の手元には、25セント硬貨が3種類、10セント硬貨が2種類と、同じ額面なのに異なるデザインのコインが複数残っています。その理由をリサーチしてみました。カナダでは、通常デザインの他に、建国記念やミレニアムなどの歴史的イベントに合わせて、一般市場に広く流通する記念硬貨を大量に発行する仕組みがあるようです。わざわざ銀行で並んで買うのではなく、旅行中のお買い物のお釣りとして普通に可愛い限定デザインが混ざって返ってくるという、カナダ特有の遊び心に溢れた貨幣流通なのですね。

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※この記事は20年以上前の体験をもとに構成しており、現在の正確な現地の状況については公式サイト等をご確認ください。
今回の訪問地:カナダ

